黒猫デール入院生活。
気が付けば子猫を保護して一週間が経ちます。
デールは手術翌日、意識を取り戻したけど、動ける状態ではありませんでした。弱りきった身体に全身麻酔。もしかしたら死にかけていた訳ですから、当たり前なのかもしれません。その日はそのまま動かずじっとしていたようです。
そして翌日私は仕事も休みだったこともありデールの会いに行ってきました。
診察台へとそっと運ばれて来たデールはヘロヘロで自分の力で立ち上がることも出来ず、目も虚ろでした。ここから先どこまで回復するかがこの先のデールの人生が決まる感じでした。でもどんな状態だろうと私達は常に出来ることをやろうと決めていました。
そこから数日…だんだんと動けるようになるデール。水を飲んだりちゅーるを食べたりと回復していきます。嬉しかったです。誰か行ける日は病院へデールの様子を観に行く日々が続いていました。回復へと向かうデール。でもある日、先生からこの子は目も見えていないし、耳も聴こえていないようだと言われたました。これはもともとなのか、事故の影響なのか、麻酔の影響なのかわからないと…まだ子猫の障害を持った猫を私達は介護できるのだろうか。ちゃんと最後まで一緒に暮らしていけるのだろうか…猫は目が見えなくても暮らしていけるとの情報も得ましたが、それだけではないデール。満足に立ち上がり動くことすらできないデール。心配事は尽きませんでした。
でも10日程経ったでしょうか…退院出来る日が来ます。
デールは日に日に良くなりフラフラながらも立ち上がったり、少し動けるくらいまで回復していました。自宅で生活出来るところまでついに来たのでした…
ここまで来るのに本当何度も何度も気持ちが負けそうになりました。少しでも早く病院へ預けることができたら結果は違っていたに違いないと…そしてこれからの生活…
黒猫デール保護5日目。
いよいよ手術することになったデール。
もう無事を祈ることしか出来ません。
手術の翌日だったでしょうか?病院から手術は成功したと電話がありました。骨折はしているけど手術時間も伸びるし、猫のこの程度の骨折なら成長とともに歩けるようになるはずとのことでした。あとは意識が戻れば大丈夫とのことでした。
そして手術翌日夜には意識が朦朧としながらも戻ったとの連絡。本当に嬉しかったです。ありがとうございます!
でもそれで終わりではありませんでした…デールは手術に成功し意識も戻ったけど、麻酔が抜けきらないのか動くことができないようです、とのこと。もしかしたらこのままかもと…
せっかくここまできたのに…助けなかった方が良かったのではないかとか自分勝手な考えが頭の中で考えてしまいました。
動物は自殺しない常に最後まで生きようとする。と何かで目にしたことがあります。デールは自分の生きようとする力でここまで生きていて、そしてここからも自分の本能で生きていくのだと思います。
まだまだ心配事は残りますが、命が助かった日でした。
黒猫デール保護4日目。
ようやく病院へと預けられたデールはもうギリギリの状態でした。呼吸は浅く早く…苦しそう…そんな状態で入院したデールでした。
翌日、病院から電話がかかってきました。
酸素室に入れてあげて少し様子が変わったと、呼吸の早さは落ち着きこのままの調子なら手術できる!と。
すごく嬉しかったのを覚えています。ただ…これはあくまで始まりでした。弱りきった子猫の手術。麻酔をかけ手術することが出来るようになっただけでした。麻酔量も難しいと言われ、そのまま意識が戻らないこともあり得ると…
でももう出来ることやってもらいたいの気持ちでしたので、お願いします。と伝え、手術が成功すること、お腹を開いて他に臓器が傷ついていないこと、その後意識が回復することを祈るだけでした。
そしてデールはきっとギリギリの状態で手術へと望むことになりました。
黒猫デール保護3日目。
2日目夜には子猫はかなり弱っていました。呼吸は早く苦しそうです…もうダメなんだろうと思いました。次の日の朝には死んでしまっているだろう…それくらい弱っていました。
しかし子猫は翌日も生きて時々鳴いていました。助けてあげられない私達には本当に辛い時間が続いていました…もう頑張らなくていいよ…楽になりなよ…と最低だけど思ってしまいました。
ここで実家の母から電話がありました。母には猫の相談は日頃からしていましたし、今回のデールの件も話していました。
母はお金が理由で助けてあげられないことが嫌だったみたいで一緒に助けようと言ってくれました。母がいつも行っている病院へ連れて行こう。と話しました。
少し遠いけど、信頼出来る、信用出来る獣医と出会いになりました。
さっそく病院に連れて行き、今までの経過を全て話しました。先生は出来ることをしよう。お金は払えるだけでいいと言ってくれました。本当にありがたい言葉でした。
でもデールはこの時には死にかけていましたので、このままでは手術に耐えられないとのことでした…酸素室に入れ呼吸が落ち着き少しでも成功の見込みがあれば手術することになりました。
そしてデールはやっと病院へと預けられました…本当に時間がかかってしまった…せめて一日でも早く苦しい時間が減るよう行動出来たのではないかと思います。
助かって欲しい…
黒猫デール保護2日目。
保護した日は金曜日でした。私は土日も仕事で2日目は妻とデールが過ごした様子です。保護した本人が仕事に出かけるという無責任…ごめんなさい。
2日目の朝。子猫の様子はエサ、水などは取らず時々ミャーと鳴いている感じでした。午前中のうちにいつも行っていたおじいちゃん先生の動物病院へ連れて行きレントゲン撮って初めてデールの体の様子がはっきりしたのでした。横隔膜が破れ内臓が肺の方へと動いていたそうです…
先生は弱った子猫を手術出来ないと言いました。もうただ苦しんで死んでいくのを見守るだけと宣告されたのでした。
そのとき先生から直接この言葉を聞かせれた妻は絶望したと思います。私が助け辛い宣告は妻に聞かせる。最悪ですね…
しかし妻はまだ諦めない…
別の病院へとデールを連れて行きました。そこでは手術は出来る、助かるかどうかはわからない、費用は30万から…その額を聞いた時、事故にあった動物を助けるのは気持ちだけではどうにもならない現実を知りました。私達は決して裕福な生活をしている訳ではないです。助けたばかりの子猫にそこまでお金は払えませんでした。無責任といえばそれまでです…でも現実的ではないです…助けることを出来ない妻は病院内で泣いてしまったそうです。もう看取ることを決めた瞬間でした。
自宅に連れて戻り車庫ではなく家の中に入れてあげました。どんどん肺が押され呼吸が苦しくなっていくデールは苦しんで鳴いていました。私が帰宅した時にはほとんど動かず、時々鳴いているだけでした。
色々な感情や葛藤がありました。妻へ対してもデールに対しても…その感情は今でも覚えています。でも文字にすることができません。淡々と文字にしたくないのかもしれないです。
デールが今生きている起点となったのは3日目…
ではまた。
黒猫デール保護初日。
なんとか事故で怪我してしまっている、子猫を自宅まで連れて帰ってきました。
その時にはもう夜7時を過ぎておりいつもチップを連れて行っていた動物病院は電話が繋がらなかった…この時の初動の遅れがデールを苦しめたのだと思う。現場で今から連れて行く旨を伝えれば良かったです。今では何か気になれば極力病院へ電話して相談するようになりました。
とりあえず朝一番で病院へ行こうと思いました。先住猫が興奮することにより威嚇などしてストレスにならないように車庫にて保護しました。エサと水をダンボールに入れて冷えないようにタオルなど入れてあげました。
でもやっぱり今日のうちになんとかしてあげたく動物の夜間救急病院へ電話しました。事情を話し、診てほしいと話をしましたが、レントゲンを取ってなどの検査しか出来ない。そこで処置してもらえないとなれば連れて行ってもしょうがないと判断しました。夜間救急病院は検査料金もすごく高く、しかも処置もしてもられないと考えての判断でした。その判断は間違いだったかもしれません。そのとき子猫はお腹を強く打ち横隔膜が破れ肺の方へと腸など内臓が動き呼吸が苦しくなっている状態でしたので、夜間救急病院で酸素室へ入れることが出来ていれば今の後遺障害は減っていたかもしれません。すごく後悔しています。
子猫が大丈夫か気になりを見に行くと、ダンボールから出てしまって逃げようとしてました。これはまずいと思い先住猫の病院へ連れて行く用の狭いケージに入れようとしました。そのときにデールに思い切り噛まれました。子猫の細い犬歯は指へとしっかり刺さりかなり痛かったです。ただすごく力強く大丈夫だこの子はしっかり生きていると思ったのもありました。
そしてその日はまだデールの状態がわからないままケージに入れるだけでした。
ここからデールはどんどん弱っていくのでした…
ではまた。
黒猫デール。
今日からはデールとの体験談を書いていきたいと思います。
6月の頭でまだ梅雨入り前だったと思います。仕事からの帰宅途中の自宅付近でデールと出会いました。デールと出会う直前、2〜300メートルほど前に子猫が車に轢かれて死んでいました。やはり毎日車に乗っていると時々出会ってしまいます…いつもなんとも言えない気持ちになってしまいます。この気持ちになった直前だったからデールをすぐに助けたのかもしれません。
デールのいた場所から少し手前からカラスが二羽いるのが見えました。近ずくにつれ真っ黒な子猫が襲われていることに気がつきましたが、もう死んでしまっていると思いましたが、車で横をゆっくり走ったところデールは動き逃げようとしました。
「生きている」と思ったら車を自然と止めていました。近くによると折れた前足を引きずり逃げました。きっと車に跳ねられたのだと思います。外傷は足が折れている以外になさそうで、きっと助かるとその時は思いました。
しかし子猫を保護して運ぶ手段がなく、妻に電話し事情を話しダンボールとタオルを持ってきてもらいました。10分とかからず持ってきてくれた事を覚えています。
そしてあまり動けない子猫をタオルで捕まえダンボールに入れ自宅に連れて行きました。
あとで思ったのはきっと轢かれ死んでしまった子猫とは兄弟で、あそこで跳ねられなんとか逃げてきたんだと思います。
この日から数日は本当に辛いことの連続でした…
また次の記事にゆっくり丁寧に書いていきたいと思います。
ではまた次回…